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OVERCOME 2(F→Q→M?)

以前アップした光速もどき、続いてしまいました。
構想ができあがっている分だけでも、だいぶ長くなりそうな予感です……。いつ終わるともしれませんが、マイペースにやっていきますので、おつきあい頂けましたら幸いです。

前のお話の数日後
・F視点
・光(→)速(→)鋼という状況?


大丈夫でしたら、つづきからどうぞ。



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****** ▼ 追記記事 ▼ ******

最近、俺はとても調子がいい。

この前の任務失敗の一件以来、仕事での慎重さが増して、かえって以前よりも成功率は上がるようになってきた。作戦構築のときに、以前より意見を出すようになったのが評価されたのだろうか。
今回はメタルから、新しい任務のメンバー選定を任されることになった。

今までやったことのないタイプの仕事だ。
まずはデータ収集、ということで俺は詳細なデータがストックされている、地下のトレーニングルームへと足を運ぶ。

部屋に近づくにつれ、激しい足音、そして何かが風を切るような音が聞こえてくる。

トレーニングルームの管理室に入ると、強化ガラスの向こう側、広いトレーニングルームの中を駆け回るクイックの姿が見えた。こちらの姿には全く気が付いていないのであろう。通信を使って話しかける。

「よう、クイック。よくやってんじゃねーか。」
「フラッシュか?」

動きをピタリと止め、トレーニングモードをオフにしてから管理室の方を振り返る。

「珍しいな。」
「ちょっとメンバー全員のトレーニングデータに用があってな。」
「そうなのか。」

クイックは、こちらに歩いてきて、管理室のドアを開け、中へ入ってくる。

「俺のデータは、それを使ってくれ。最新版だ。」
指示を受け、目的のデータを探し出し中身を確認する。

「ああ、これか…すごい更新頻度だな。闇雲に鍛え抜いてもイミねーぞ?人間とは違って鍛えただけ伸びるわけじゃねえ。たまにはメタルにでも見てもらえ。」
画面の方を向いたまま、感想を述べる。

「え…、い、いや、だってアイツ他の仕事もあって忙しいだろ…?」
「いや、そんな事アイツは気にしねえよ。」
「や、でもやっぱなかなか時間とれないだろうし、、」

クイックらしくなく、何だか口ごもってはっきりしない喋り方で返してくる。不思議に思い、俺はクイックの方へ振り返る。

「頼めば時間くらい割いてくれるだろ。」
「そ、そうなんだろうけど……なんか、忙しそうにしてるの見ると話しかけにくいし…」
「お前なあ…」
「も、もういい!気が散った!俺は帰る!」

呆れたような声になってしまった、と思った瞬間にクイックは俺の横をすり抜けて駆けて行った。もう姿が見えない。ドアくらい閉めていけば良いものを…と思うが、無駄だろう。

「何なんだ、アイツ…おかしくねぇか?」

コアのあたりが何かモヤモヤするのを感じたが、他のデータを拾っていなかったことを思い出した。とにかく今は他の事は忘れて、作業を再開することにした。



全メンバー分のデータ収集は完了し、今は夕食後の自由時間だ。
俺は既に、今日すべき仕事はもう夕方までに片づけていた。本当に最近調子が良い。俺はリビングで本でも読もうかと、読みかけの本を片手に気分良く歩いていた。

リビングに入る直前のところで、ソファに座っているクイックに近づいていくメタルの姿が目に入った。

「クイック、最近トレーニングルームをよく使っているようだな。能力の把握もしておきたい。明日、見に行こうと思うがいいか?」
「ふぉっ!?」

後ろから急に話しかけられたクイックは驚いたためか、目を見開いて変な顔をしている。

「ふっ、何だ、その間の抜けた声は?」

メタルはクイックの隣に座り、笑って続ける。
……俺は入っていくタイミングを逃してしまった。しかし、どういうわけかそこを離れる気分にはなれなかった。褒められたことではないと理解していたが、入っていくタイミングがつかめるかもしれないとも思い、そのままの場所で俺はリビングを見てみることにした。

「明日もトレーニングするのだろう?見に行っていいか、と聞いているんだが。」
「お、お前、忙しいんじゃないのかよ!?そ、そんなヒマあんのか?」
「暇で仕方ないといえば嘘になるが…、」

そうやって言葉を切って、メタルはそっとクイックの顔をのぞき込む。

「お前のトレーニングをみるのも俺にとっては重要なことだ。」

クイックは一瞬固まったあと、突然黙って顔を背ける。

「俺はっ……、いつもどおりにトレーニングしてるから。来たいときに来ればいい。」

数拍置いてから掠れた声で言い放ったあと、勢いよく立ち上がったかと思えば、メタルに背を向けてしまった。

「了解した。また明日の朝に時間を決めて連絡する。」
「お、おう。」

返事をするや否や、クイックはものすごい速さで駆けていった。リビングのすぐ脇ですれ違った俺の存在など、全く気付かない様子で。


すれ違うとき、クイックの顔は機体と同じくらい赤く染まっていた。
あの様子から判断して、クイックはメタルのことが好きなんだろう。そうやって、事象から結果を判断しただけなのに、コアの周辺の回路が小さな痛みを発しているようだ。


理由は理解できない。
なぜか、そのことにショックをうけている自分がいた。

しかし、それ以上に。
メタルに対しては、クイックは美点であるあのまっすぐさを表せていない。ある意味、行動は素直ではあるのだろうが、あれでは本人はきっと今頃後悔しているだろう。

(全く、、、勿体ねーよなぁ……)

せっかくのまっすぐさが、メタルの前では屈折してしまっている。それを目にしたことが、俺の回路の負荷を重くさせているのだった。


本を読む気も失せ、渦巻くような回路信号を処理しつつ部屋へと帰ることにした。




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